映画館

回顧録

ここ20年ぐらいだろうか。

映画館(シネコン)は都市部だけではなく、郊外都市やショッピングモール内なんかにあって誰でも気軽に映画を鑑賞することができるようになった。

その昔、私が高校生ぐらいの頃は映画館はほんとに繁華街の中にしかなかった。大阪で言うと、梅田とか。よく電車の中から梅田が近づくとデッカイ映画宣伝の広告看板が掲げられたていたものだ。

当時、高校生だった私は映画を観るというのはそれだけでメインなレジャーだった。だって、映画を観に行くのに時間を合わせてわざわざ電車に乗って小一時間かけて行くのだから。その後のごはんとか云々は映画ありきのスケジュール構成となる。

今からは考えられないかも知れないが、超話題の人気作品ともなると当然殺到し「立ち見」という誠に映画鑑賞に不向きな条件を受け入れなければいけない。2時間ほどやや混んでる電車の中のように突っ立ったまま鑑賞するのである。しかも目の前には優雅にお座りになられているチケット勝ち組たちの黒山を見ながら。

記憶では、そんな立ち見をした映画は2本あった「フットルース」と「ゴーストバスターズ」やったかな。苛酷に楽しんだのを覚えている。

そんな映画鑑賞の世界しか知らない私が19歳でアメリカに渡って衝撃を受けた。アメリカではその当時からシネコンが郊外や小さい町にもあって、みんな気軽に映画を楽しんでいるようだった。すごい段取りを組んで「映画行くぞ!」って意気込んでいた自分がアホらしく思えるほど。しかも空いている。いつも混むことがない。そして安い。まさにカルチャーショックだった。

ただ、デメリットもあった。アメリカ人は映画を楽しむのを優先するあまり、うるさいのである。アクションシーンなどでは「WAO~」や「YES!」やホラーなんかではお馴染みの「オーマイガー!」とか、とかくうるさいのである。もっとひどいのはその後の展開をネタバレする奴なんかもいたりした。カップル男が女に「この次はこうなるんだよ。信じられないねぇ」と女は「あら、そうなの。楽しみだわ」って日本人には理解できないがこうゆう会話が横行していた。

書きながら最近映画館に行ってないなって気づいた。今度近くにシネコンに配偶者と行ってみよう。その前に何を観るかのプレゼンに勝利しなければならないのだが。

 

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